金沢文庫店という名前を信じて金沢文庫駅で降りると、少し困ることになる。最寄りは隣の金沢八景駅。店名と駅名が一致しない、めずらしい店舗だ。
改札を出て横浜方面へ、大通り沿いをひたすら歩く。徒歩10分と書いてあるが、体感はもう少し長い。やがて視界の先に、黄色い庇と赤い「ボウリング」の看板が現れる。二階がボウリング場で、その一階がジム。
中に入ってまず感じたのは、海が近いはずなのに、という違和感だった。潮の匂いがまるでしない。どちらかといえば、都会のジムの空気。
店舗情報
| 店舗名 | エニタイムフィットネス 金沢文庫店 |
| 住所 | 〒236-0021 神奈川県横浜市金沢区泥亀2-13-1 |
| 最寄駅 | 京急線「金沢八景」駅 |
| アクセス | 徒歩10分/スポルト八景ボウル1階 UNIQLO前 |
| 営業時間 | 24時間年中無休 |
| スタッフアワー | 10:00〜19:00(最終受付18:30) |
| 月額料金 | ¥7,678(税込/税抜¥6,980) |
| 電話番号 | 045-352-7385 |
| 訪問日 | 2026年8月1日 |
設備
- 個室シャワー
- 個室更衣室
- 水素水サーバー(プロテインサーバーも設置)
- Wi-Fi
- AED
- 契約ロッカー(空きあり)
- 駐輪場・駐車場
- パーソナルトレーニング利用可
- 高校生無料対応
- スミス/パワーラック 5台
- アジャスタブルベンチ 4台
- マシンブランド:Life Fitness/PRECOR/MATRIX/Concept2
ひとつ注意点を挙げるなら、水素水サーバーは有料で、無料のウォーターサーバーは置かれていないこと。飲み物は持参したほうがいい。
アクセス

京急線「金沢八景」駅。横浜シーサイドラインからも歩ける。駅から先は起伏のない一本道で、迷う要素はない。ただ距離はそれなりにあるので、真夏に歩くなら覚悟がいる。

スポルト八景ボウル。ジムの看板を探すより、ボウリング場を探したほうが早く着く。
店内の雰囲気と設備

1フロア構成で、間取りは細長い。入り口のすぐそばがストレッチエリアで、マットは自分で敷く形式。その奥にウェイトスタック式とプレートロード式のマシンが並び、一番奥に荷物置きとシャワー、トイレがまとまっている。
マシンは Life Fitness、PRECOR、MATRIX、Concept2。パワーラックとスミスで5台、アジャスタブルベンチが4台。ダンベルまでの導線はそこそこで、決して広くはないものの、人と人が交差して詰まるような場面はあまりなかった。マシンエリアには余白があり、自分のペースで回せる。
ただし、すべてのマシンに「20分まで」の注意書きが貼ってある。それだけ回転を意識せざるを得ない店舗ということでもある。
ひとつ、初めて見るマシンがあった。ヒップスラスト用のマシン。使い方がよく分からず、結局さわらずに終わった。その日は誰も使っていなかったので、動きを盗み見ることもできなかった。
設備そのものは、全身を一通り回すには不足がない。
混雑具合
訪問したのは土曜の昼過ぎ。結構、混んでいた。
20代から30代、ビジネスマン然とした人が多い。意識の高そうな空気が漂っていて、心なしかタンクトップ率も高かった。
周辺環境
正直に書くと、この日いちばん面白かったのは、ジムを出たあとだった。
金沢八景という土地には、駅の周辺だけ見ていると気づかないものが揃っている。小さな島があり、山があり、明治の別荘が建っていて、最後に砂浜が出てくる。それが全部、歩いて回れる範囲に収まっている。
トレーニングを終えて、まず南へ向かう。橋を渡ると、野島に着く。

案内板には展望台、旧伊藤博文金沢別邸、キャンプ場、バーベキュー場と並んでいる。島ひとつでこれだけ入っているのかと、少し笑ってしまった。

まずは展望台へ。標高57メートルの野島山に続く階段が、これがそこそこ長い。トレーニング後の脚には、なかなかこたえる。手すりを掴む回数が増えていくのが自分でも分かった。

登り切った先に現れるのが、この展望台。芝生の丘の上に、円盤がそのまま着陸したような形をしている。設計者が何を考えていたのかは分からないが、悪くない。

平潟湾、八景島、対岸の工業地帯。東京湾がまとめて視界に入る。海の上に点々と白い帆が浮かんでいて、視線を右へ流していくと、いつのまにか赤白のクレーンに行き着く。階段のきつさは、これで帳消しになった。
階段を降りて、島の反対側へ回る。

竹垣に挟まれた小径を抜けていくと、手入れの行き届いた松が続く。ここまで来ると、さっきまでマシンで20分の制限時間を気にしていたことが、だいぶ遠い話になる。

旧伊藤博文金沢別邸。伊藤博文が明治期にこの地へ建てた別荘を、往時の姿に復元したものだ。茅葺きの屋根が海風を受けて立っている。入館は無料。

座敷に上がると、開口部の向こうに芝生が広がり、その先に松、さらに先に海がある。畳に座って正面を見ると、庭と海が一枚の絵のように収まる。人の手が入った芝生と、手が入りようのない水面が、石灯籠の列を境にして地続きになっている。
建物のなかは自由に歩ける。板張りの廊下を進むと障子越しに中庭の緑が差し込み、座敷には伊藤博文の書の掛軸が掛かっていた。人はまばらで、床がきしむ音がやけに大きく聞こえる。
百年以上前にここへ滞在した人物が見ていたのも、たぶん同じ構図だったはずだ。海の向こうにコースターが増えただけ。
別邸を出て、最後に海の公園へ向かう。

海の公園は、横浜市内で唯一、砂浜のある海水浴場。正面には八景島シーパラダイスが浮かび、その右手には工場のクレーンが立っている。遊びと産業が同じ水平線の上に並んでいる景色は、なかなか見ない。
さっきまで座敷の障子越しに眺めていた海に、今度は砂の上から向き合うことになる。同じ水面のはずなのに、まるで違って見える。
水際には人影がぽつぽつ。泳いでいる人、板の上に立っている人、ただ座っている人が、それぞれの距離で散っていた。急いでいる人が一人もいない。
しばらく座っていた。歩数はそれなりに稼いだはずだが、疲れた感じはしなかった。
総評
ジムそのものは、普通だった。
設備で押してくるタイプではない。広くはないし、無料の水も出ない。土曜の昼は普通に混む。細長い1フロアながらマシンエリアには余白があり、全身を回すには十分。20分制限の貼り紙も、これだけ混む店舗なら妥当な判断だと思う。可もなく不可もなく、という言い方が一番近い。
面白いのは、この店に潮の匂いがしないことだ。歩いて行ける距離に砂浜があるのに、店内は完全に都会のジムの顔をしている。海辺のジムを期待して行くと、たぶん肩透かしを食う。
ただ、この店舗の価値はジムの中にはない。外にある。
トレーニングを終えて、砂浜まで歩ける。橋を渡って島に入り、階段を登れば東京湾が見渡せる。降りてくれば明治の別荘があって、畳に座って海を眺められる。それが全部、一日の午後に収まる。
正直、散歩がかなり楽しい。ジムを目的地にするのではなく、一日の行程のなかにジムを置く。この街には、そういう使い方が似合う。
次に来るときは、朝からにしよう。
評価
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| アクセス | ★★☆☆☆ |
| 設備の充実度 | ★★★☆☆ |
| 混雑のなさ | ★★☆☆☆ |
| コスパ | ★★★☆☆ |
| また来たいか | ★★★☆☆ |
| 総合評価 | 8点 |
| 巡礼クラス エニタイム好きなら、遠くても行ってみる価値があると判断した店舗です。 | − |
巡礼は、まだ続く。
📖 English Review → Anytime Fitness Kanazawa-Bunko Review

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